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ふるやのもり

  • Posted by: あらんだまおばさん
  • 2007年3月21日 10:08
  • 田舎暮らし

お疲れくろすけくん
春麗らかなある朝、種まきをしようと長靴を履いて畑に出た。スコップ、鍬、白い大きめの買い物袋に入れた種、バケツ、竹など、いつもの道具を地面に置き、土を整え始めた。「なにしてんの?」とくろすけくんとちゃぼちんがやってきた。体を私におしつけたり、わざと土をおこしているところに入り込んでじゃまをしたり、ころんところがったり・・・あ~あ、まっいいか・・・
さあ~っと心地よく春風が吹き、種の入ったビニール袋をふくらました。何が入っているんだろう・・・くろすけくんは鼻を入れ、臭いをかいだ。結構おっきんだ。入っちゃお。入ったとたん、ガサっと音がした。びっくりしたくろすけくんがバックすると、ちょうどビニール袋の持つところが首にひっかかって、またガサっと音がした。バックするのをやめ、足を前に踏み出した。それがまずかった。がっちり彼の首にビニール袋がセットされてしまったのだ。
いかん!と思ったのは私。捕まえてはずそうとしたが、長靴を履いた足は思うように動かない。あっというまに、彼は脱兎のごとく走り出した。背中に旗めく、空気をいっぱいにはらんだビニール袋。ガサガサガサガサ・・・。得たいの知れない怖いものが背中にとりつき、振り払おうと走っても走ってもガサガサガサガサ・・・。恐怖で目は飛び出し、耳はぴたっと頭にへばりついている。超特急で畑を横切り、家の床下を通り抜け、土手を下り、田んぼを一回りし、やがて山の中に入ってしまった・・・。

もし木の枝にビニール袋がひっかかり、くろすけくんが首吊りになったらどうしよう。大声で夫を呼び、隣家のおじおばも動員して必死で探し回った。・・・昼になっても見つからない・・・ちゃぼちんにも探しに行かせたが、すぐ帰ってきた。たよりにならん。
・・・3時、近所のおばさんと会った。「くろすけ?さっきおったよ」生きていたんだ。ちょっとほっとする。「首んところになんかつけてたよ」まだビニール袋くっついているんだ。
・・・5時、何も手につかなかった一日が暮れかけたころ、パタンと猫ドアが開いて、黒い頭が入ってきた。ドアの脇に小首をかしげ、申し訳なさそうにちんまり座ったくろすけくんの首には、さながらお地蔵さんの前掛けのように、小さくなったビニール袋がかかっていた・・・。

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