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設計 Archive
現在行っている作業

現在、図面を2Dから3Dへ入力を行っています。
それを元に現場の状態と干渉チェックし、設計するうえでの検討にあてられるようにするのが目的です。
その作業においてとりまとめを任せてもらいましたが同時に大変なこともありました。
まず人に指示をし、仕事をふる大変さを知りました。
他の人に仕事を振る前にまず自分が理解しどのように伝えるか考えなければなりません。
最終的な目的を伝え、なぜその業務を行うか伝えることから始めました。
いつもなら個人の仕事をしていくだけでしたが、 とりまとめとなると3D入力以外の仕事と兼ね合い、状況把握、現在の進捗状況で納期が間に合うか、など予想以上に考えなければならないことがありました。
その中で慣れてない部分が多く同じ仕事をしている方々に沢山バックアップして頂きました。
仕事をふる力をつけたり私個人の力をつけていかなければならないと改めて勉強になりました。
今回感じた気持ちを忘れずまたチャンスを与えて頂けるよう精進していきます。
フローチャートの活用
(例)ファクシミリ送信フローチャート
主にプログラムを作成するときに用いられる事の多い、「フローチャート」ですが、日々の業務にも大いに活用しましょう。メリットとして以下の点が考えられます。
業務の流れを視覚化することのメリット
- 文字だけの表記より、条件により作業内容が変わる時(条件分岐)などが理解しやすい。
- フローチャートを作成しながら、手順を分析をすることにより、無理、無駄、ムラの発見につながる。
→業務改善、コストダウンへつながる。 - 他者も理解しやすいのでマニュアルなどに活用可能。技術、情報の共有→技術力の向上
フローチャートの作成には、自分で使うだけならもちろん手書きで十分ですが、マニュアル等では、日頃使い慣れている「エクセル」を使うと便利です。
エクセルでフローチャートをきれい描くには、セルを方眼紙状にすると良いです。(画像はExcel2007)
1. セルを方眼紙状にする
幅、高さとも21ピクセル程度にすると、印刷時に1セルが、ほぼ5mmの方眼紙になります。
2. グリッドを使う
図形またはオブジェクトをグリッドの最も近い交点に配置するには、[枠線に合わせる] をクリックします。
3. フローチャートを記入
ツールバーの「挿入」→「図形」→「フローチャート」で記入していく。
複雑な手順は、フローチャートを小分けにして作成するとよいでしょう。フローチャート作りに時間をかけすぎないように、道具の一つとして割り切って考えましょう。
参考:フローチャート記号
自分のみで使うフローチャートならば、自分のみ分かり易ければよいと思いますが、他者にも渡すのであれば、やはりルールに従っておきましょう。
各記号と用途を列記してみました。
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端子 フローチャートの始まりと終わりを表わす。 |
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処理 計算、代入などの処理を表わす。 |
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判断 条件による分岐を表わす。 分岐のときは「Yes」「No」をはっきり明示する。 |
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サブルーチン 定義済みの処理を表わす。 |
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表示 モニタなどへの結果表示を表わす。 |
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入出力 ファイルへの入出力を表わす。 |
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ページ内結合子 フローチャートをページ内で二列以上にするときに使う。 |
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ページ外結合子 フローチャートを別ページと綱が得るときに使う。 |
現場溶接記号について
前回に引き続き溶接記号に関する記事です。
現場溶接記号(図1,図2)の旗の向きは、基線 の「右」から矢を出す場合、左右どちらの向きになるのだろうか・・・と迷ったことはありませんか?
JIS Z 3021(溶接記号)を確認すると、基線の左から矢が引き出されている場合のみの記載(図3)しかありません。
結論からいうと、一般的に現場溶接記号の旗の向きは、基線の右から矢を出す場合も左から矢を出す場合も「右向き」が慣例となっているようです。
というわけで、基線 の「右」から矢を出す場合、図2の旗の向きになるようです。
理由としては、すみ肉溶接記号(図4)と同じ解釈(そういう形であるということ)となるようです。(例えば、数字や文字を通常は反転させたり上下に書かないのと同じように)
JIS Z 3021(溶接記号)の基本になっているISO2553での現場溶接記号の記載例が図5しか無いことで、旗の向きは常に右向き表記になるとも考えられているようです。
ちなみにAWS(American Welding Society)での現場溶接記号の旗の向きは、図6に示すとおり、矢印と反対向きになるようです。
同じ旗記号ですが、考え方がISOとAWSでは異なるのですね。
国際単位(SI)
国際単位系(SI)は、世界中で使われる標準の単位系です。日本でもJISで使い方が規定されています。
基本的事項をまとめてみました。
量 | 記号 | 単位の名称 | 定義 |
---|---|---|---|
質量 | kg | キログラム | キログラムは物質の単位であって、それは国司あキログラム原器の物質に等しい。 |
長さ | m | メートル | 1秒の1/299 792 458の時間に光が真空中を進む距離 |
時間 | s | 秒 | 秒は、セシウム133の原子の基底状態の2つの超微細準位の亜間の遷移に対応する放射の9192631770周期の継続時間である。 |
電波 | A | アンペア | アンペアは、真空中に1メートルの間隔で平行に置かれた、無限に小さい円形断面積を有する無限に長い2本の直線状導体のそれぞれを流れ、これらの導体の長さ1メートルごとに2*10-2ニュートンの力を及ぼし合う一定の電流である。 |
熱力学温度 | K | ケルビン | 熱力学の単位、ケルビンは水の三重点の熱力学温度の1/273.16 |
物質量 | mol | モル | モルは、0.012キログラムの炭素12の中に存在する原子の数と等しい数の要素粒子を含む系の物質量である。 |
光度 | cd | カンデラ | カンデラは、周波数540*1012ヘルツの単色放射を放出し、所定の方向におけるその放射強度が1/683ワット毎ステラジアである光源の、その方向における光度であること。 |
定義というのは難解なものですが、「そんなものだ」ととらえておけばよいのではないでしょうか?
問題:
次の3つ長さの単位のうちSI単位に定められているのはどれでしょう?
- (1).
- m (メートル)
- (2).
- 尺 (シャク)
- (3).
- yd(ヤード)
答えはページの下にあります。
単位の大きさを表す記号
記号 | 読み | 大きさ | |
---|---|---|---|
![]() |
E | エクサ(exa) | 1018 |
P | ペタ(peta) | 1015 | |
T | テラ(tera) | 1012 | |
G | ギガ(giga) | 109 | |
M | メガ(mega) | 106 | |
k | キロ(kilo) | 103 | |
h | ヘクト(hecto) | 102 | |
da | デカ(deca) | 10 | |
d | デシ(deci) | 10-1 | |
c | センチ(senti) | 10-2 | |
m | ミリ(milli) | 10-3 | |
μ | マイクロ(micro) | 10-6 | |
n | ナノ(nano) | 10-9 | |
p | ピコ(pico) | 10-12 | |
f | エフェムト(femto) | 10-15 | |
a | アト(atto) | 10-18 |
単位の大きさを表す記号をまとめてみました。
使用する場面によって頻繁に出てくるものとそうでないものがありますが、"E"(エクサ)や"f"( フェムト)など見ることはありませんね。
問題:
次の3つの組み合わせで正しいのはどれでしょう?
- (1).
- E > c > n
- (2).
- T > da > k
- (3).
- m > G > h
答えはページの下にあります。
設備図面でパッチワーク

これまでは当社で作成した、建築設備設計関連図面の一部を並べてみました。
- 公共施設排水配管設備
- 地域センター給排水配管図
- 電源盤配線図
- 動力配線図
- 設備概略図
- 砂防ダム断面図
- 水泳プール給排水設備
- トイレ廻り給排水設備図(詳細)
- 空調機械室配置図
- 工場設備配管図
- 特別養護老人ホーム給排水設備図
- 医療施設給排水設備図
便利なソフトも使い方しだい
建築物を建てる時にまずは建築物の解析用の図面をもとに、柱や杭、鉄筋の強度が十分かどうかを、いろいろな数値を専用のソフトに入力して結果をはじき出し、コンピューターが算出数値を問題ないと判断すれば施工用の図面を作ります。
私の仕事は、その施工用図面を書くことです。
この文を書くにあたり思い出したのですが数年前に、耐震偽造がありました。どういった図面ができて、計算をして、どういった数値が出て施工まで行われたのか、この業界に入ったせいか気になります。
今、使われている解析ソフトを開発した人は、作業の効率アップや正確性、安全のために作ったはずなのに不正に使われ、どうおもったのか。
どの職種でも、コンピューターなしには仕事にならない時代ですが、どんな便利で正確な機械が出来ても、それを操作する人が間違った使い方をすれば、意味の無いことだと思いました。
設計とは、人が住んだり仕事をしたりする建物を作るわけで、安全である事が第一だと思いますし、実際に施工する方が図面を見て、間違いや理解できないもののない図面を作るのが、基本的な事だと感じます。
まだまだ、難しい事もありますが、設計という職種の意味を自覚して技術向上に努められたらと思います。
ただいま修行中
先日、平面図と矢視図を元にアイソメ図を手描きしていた。
順調に作図していたのだが、ある図を見て、手がピタッと止まってしまった。
それは、南から北へ走っていたパイプが東へ向きを変えると同時に斜めに下がり、東に走っている図だった。
アイソメでどう表現すればいいのか途端にわからなくなってしまったのだ。
曲りに取付けられているエルボは90°なのか?45°なのか?
手元にあるペンを組み合わせてみるが、図と一致しているのか自信がない。
案の定、間違っていた。
入社して3ヶ月の私に理解できるようにと事務用クリップを伸ばして説明してくれたのだが、書類を整理するために使われるクリップが見事に混乱した頭をクリアにしてくれた。
新しい仕事をするたびに思うのだが、未知のことを知るとともにあやふやな理解でしかなかったことに気づかされる。
失敗と気づきの積み重ねを 大切にしながら、今日もクリップを伸ばし、日々進化を目指しています。
最後は紙上で確認
当たり前のことですが、仕事上の「ミス」を無くすのは会社にとって大きな使命であると思います。
- 間違いのない設計(商品)をお客様に提供し、代価をいただく -
この当然のことを遂行するために日々努力しているわけです。
当社でも、設計、製図、要領書、仕様書の文書作成など業務のほとんどをコンピュータで行うようになって10年以上になります。いまやコンピュータを使わない仕事は考えられません。
間違いのない設計をするには、時間がかかりますが、納期も守らなければなりませんし、儲けも少なくなります。
やはり、コンピュータに任せられること、人間でしかできないことを見極めるために、業務の手順、内容を分析し、日々工夫を凝らすしか方法はなさそうです。
コンピュータを使って作られた図面や書類は、一見なんだか正しいように見えてしまうものです。まして、モニタ上では一部分しか確認ができず、正確なチェックは不可能です。
「ペーパーレス」「省資源」とはかけ離れた話です。しかし、少しでも間違いを無くすには、「最後は紙上で確認(チェック)」は必須です。